>建前、棟上
建前の当日は雨で流れた。
しかし、棟梁が形だけでもと、１本だけ柱を立ててくれた。
建前当日に、雨が降ると雨も吹き込むが、「幸せも吹き込む」と、云われ、縁起が良いそうだ。
雨や台風のせいで、プール状になった基礎。
何もしないのもしゃくだと思い、
休みの夕方、バケツと雑巾で溜まった水をくみ出しに行ったのも思い出に
なるはずである。
数日後の組み立てを前に、下準備をする大工さん。
綺麗にしてもらっているのは、大黒柱。
妻の、たっての願いである、丸い柱。なぜ、四角ではなく 丸が良かったかというと
理由は、
カドに足の小指をぶつけると痛いから・・・だそうである。
組上げられた柱と梁がクレーンで吊り上げられ、立ち上がってゆく。
そして、計算どおりホゾへ差し込まれる。
計算されつくされ、整然と並ぶ柱。
いよいよ例の丸い柱が運ばれる。
差し込まれる直前に最後の微調整。職人の経験と技が冴える。
クレーン操作と手作業による、絶妙のコンビネーション。
見ていても背筋がゾクっとするほどの感動を覚える。
下の白い矢印が、収まった丸い大黒柱。
これから何十年も我が家に存在することとなる。
出番を待つ材木たち。
この日の夕方、規模の全容が判るまで進み、
軸組みが夕日に映えていた。
