「終わりなき疾走」
第１１話
＜新店舗建設中！＞
新店舗の建設もかなり進んで、駅前の建設現場は活気付いていました。
工事関係の人たちは、午後５時頃には、帰って行きます。
そのあとの私たちにはやらなくてはならない事がありました。
それは工事現場の掃除でした。木切れや、細かい破片等を、ホウキで掃きます。
コンクリートの細かい粉がたくさん散らばってますから、それらを
塵取りで綺麗に除去してから水を打ってホコリをしずめます。
それを、３階までやるのです！
コンクリートの粉なんか、バケツ一杯は出ますよ。ほうきで掃くと
すんごいホコリが立ち上がるんです！
それで、私は、めんぼ（ものもらい）になりました。
昔から、目が弱かったんです (T_T)
それでも、掃除が終わった後は、なんかスッキリして、
「あー、ここで仕事をする事になるんやな〜・・・」なんて、想像してました。
でも、巨大なコンクリートの塊があるだけで、まだ実感はわいて来ず、
掃除の繰り返しが続くのでした。
＜楽しい仕事＞
我々、ひよっこスタッフがやる仕事は何もお客さん相手の仕事ばかり
ではありませんでした。時折、倉庫の掃除や、買出し、銀行へ両替・・・等など、
ちょっと出の頼まれごとは結構楽しみでした。
そりゃー、「おさぼり」出来ますからネ・・・(^_^
中でも、「ジョンの散歩」は、最高に楽しみな仕事でした。
ジョンは「犬♂」です。
夕方になると、上司が、「おい、ジョン行ってきてくれ」と、決まって言うのです。
ご指名のある場合は別として、その頃、散歩は誰が行くとは決まってません
でしたから、みんな行きたくて仕方ないのですが、誰一人、まずは口に出しません。
一瞬、皆が出方をうかがって、同僚の彼が、「は、はいっ、ハイっ！」と、
申し出るのでした。
いったん店を出たら、もうこっちの物です。３０分〜４０分は戻って来ません。
ひどいと１時間ぐらいは帰って来ません。（笑）
夕方は、店の仕事が忙しくなる時間帯ですから、ラッキ〜！！って感じで、
羽を伸ばすのです。
時々、私も行く事がありました。私が何度か行った中で、一番ひどかったのは、
１時間半ぐらい帰って来なかった事でしょうか！
その頃の散歩は、スクーターで行ってましたから（ジョンも若かったので）
かなりの距離を走る事も出来ました。
ある日、川越にある「火力発電所」まで行きました。（←もう、時効でしょ？）
その日はなんだか、どこまでも走れる気がして（どこまでも走るな）
そこまで行っちゃいました。
帰ってきて、店の人たちに「どこまで行っとるんや！？」と、言われたのは
言うまでもありません・・・m(_ _)m
夕方、やや疲れた体を癒すには、最高のイベントでしたね。
喫茶店でも入ったろか・・と、思いもしましたが、犬連れだし、さすがに
それは出来ませんでした。
しかし、回数は、同僚の彼の方がが断然多かったですよ。
彼は出掛けに煙草を吸いながらもう一本を耳にかけて出かけて行くので、
よく店の上司から「あと、鼻にも２本挿せるゾ」と、からかわれて
いました（笑）
でも、上司が自ら行く時もあるので、そんな時は、とっても残念でしたね。
つづく