「終わりなき疾走」
第１２話
＜名犬じょん＞
先週の続きになりますが、経営者宅で飼われていたイヌ（ジョン）
の話をもう少しさせてください。
John（ジョン・犬♂）は時々、病気になりました。
血統書付きの柴犬でしたが、あんまり体は強くなかったのかな？
毛がごっそりと抜けたり、オエしたり、その度に上司は、動物病院へ
つれて行く羽目になるのです。
一、二度、動物病院へ連れて行く時に、なだめ役で車に乗っていった事が
ありました。その時ジョンは、車に酔ったのか、そわそわしだして、
私は悪い予感がして、「おい、ジョン待て！早まるな！！」
車を停めてもらい外に飛び出した途端、オエしました。
おー、間一髪！！
また、ある時は前足を怪我した時、塗った薬をなめてしまうといけないので
首に巨大な白いメガホンのような物を巻いていました。
朝、私はジョンの横を通って店のカギを取りに行って、突然視界に異様な
物を巻いた獣が現れて、腰が抜けそうになったのを覚えています。
（この異様な巻物は"エリザベス・カラー"と言うのだそうです。な〜るほど）
時々、社長であるＩ先生がこのジョンを医者に連れて行ったり、薬を塗ったり
する事もありました。薬を塗られる時は特に嫌がるので、そのたびに、
「じっとしとれっ！自分のためやろっ！」と、よく怒ってました。
そんな、犬に自分のためと言ってもね〜（笑）
しかし、私はそれを聞くと、なーんか自分が怒られているみたいな気がして
ましたよ。なぜでしょう？？？（そうやって怒られていたんだろうな、やっぱり）
そんなジョンも数年前に死んじゃったそうで、ちょっぴり寂しい気がします。
僕たちの修行時代をずっと、見ていましたからね。
＜新店舗への引越し＞
昭和６１年の晩秋、ついに新店舗が完成して荷物の引越しが始まりました。
店内はほとんど新品ばかりなので、持ち帰るものは仮店舗にあったもの
全てではありませんでしたが、細かい物も沢山あり、たいへんな作業だった
と覚えています。
なかでも トイレの備品や、スタッフルームの小物、掃除用具、
事務用品などなど・・・。そういった物は、買出しに出ねばなりません。
そうです！買出しですっっ！光栄にもこの買出しには、私が選ばれました！
そして、新しく出来た２階の美容室のスタッフ１名が一緒に来てくれることに
なって買い物の内容が書いてあるメモをもらうと、
意気揚揚と出かけて行くのでした(^^)
ある程度の物は、当時 富州原にあった「サン○バー」で揃えましたが、その頃は
ホームセンターとかがあまり無かったので苦労していろいろ探し回って
いました。個人の金物店なんかも行きましたよ。（ちりとり買いに）
それでも足りない物があって、四日市市伊倉の「カ−○ホームセンター」まで、
行こうかと思いましたが、それはちょっとマズイな・・と思い、
店に電話して聞くと、「もう、戻ってらっしゃい (-_-# 」・・・との
ことで、楽しい買出しは終わりました。４〜５時間ぐらい出てたかなー。
まだ、携帯電話も無かった時代ですから一旦 外へ出たらもうこっちのもの
でしたね。
その日は、お天気もよく、晩秋の晴れわたった空を（仕事さぼって）
眺めながら、当時の愛車クイント・インテグラ（りとらくたぶるらいと）は爽快に駆け抜けて
行くのでした。 ・・・つづく。