「終わりなき疾走」
第１８話
＜西伊豆の踊り子＞
私の勤めていたお店は会社組織で経営を行なっていました。で、
慰安旅行もあったりしまして、この頃はたしか、伊豆の土肥温泉
へ一泊で行ったような記憶があります。
全体にはぼんやりとしか覚えていませんが、当時の写真でを見ると
「お〜、こんなんあったなー」 ぐらいです。
しかし、思い出が一つだけありまして、そう、あれは
自分にとっては初体験なのでした！
その日、旅行途中のバス内でさんざん飲まされた揚げ句、観光地を
引きずりまわされ、「これが社会人の慰安旅行だったのかー」と、
感激に打ちひしがれて旅館に着き、その後はお決まりの(大)宴会です。
まだ若かりし私は、アルコールもほどほどにしか飲めませんでした。
それでもへべれけに酔った上司の酌は断れませんからコップを受けるの
ですが、少しでも中身が残っていると「ぅぉお〜うぅ？」と、
返されます。
そんな状態がずっと続くんですよねー。（*_*）
宴会の始まりは厳粛に、挨拶→乾杯 と、移っていくのですが、
終盤はもうドロドロ状態でお開きなんです。（まー、どこの宴会でも
似たよなものでしょうが）
部屋へ帰る途中、ロビーでうろうろしていると、旅館の人が怪しげに
「ニーサン、ニーサン イイトコ アルヨ！」と、声をかけてきま
したね！ イイトコ→いいとこ→良い所・・・。まぁ、察しがつくと
思いますが、ずばりそれは「ストリップ劇場」でした。
私のほかに2人いましたがその2人は俄然行く気まんまんでしたが
私は持ち前の気の弱さがあって、乗り気ではありませんでした。
「ちょっと飲みすぎたしやめとこかな〜」と、言うと、
ぼそっと「付き合い悪いヤツはアカンな〜」( -.-)と、言われその一言で
「おしっ！行こぉ」（｀_´）と、決まりました・・・。
貰った入場券は、しわくちゃの変な紙きれで、「五千円を千円で！」とか
ムチャクチャなことが書かれていました。旅館の人に教えてもらった道順を
野郎３人が浴衣にゲタでからころと目的地へ向かいました。
暫く行くと、劇場とは思えないほどボロい掘っ立て小屋があって、
入り口で券と拝観料(？)を払い、入ると 極彩色のちょうちんが並んで
いまして、異様な雰囲気を醸し出していました。
けばけばしく、淫らな感じを出しているつもりなんでしょうが、
まだ青二才の若造にはちょっと毒がキツ過ぎましたね（笑）
入って行くと、タタミ8畳ぶんぐらいの部屋があって、踊り子一人に客一人・・。
私たちが入って行くとその先客は、そそくさと出て行きまして、
我々、３人だけがそこに座り、いよいよ
「イッツ・ショー・タイムっ！！」
明らかに日本人ではない踊り子さんが登場しました。
ここは西伊豆の土肥温泉。生涯初の演芸見物が始まります。
(ﾉﾟοﾟ)ﾉ
その後は、ここに現状を書くわけにも行きませんので、ご想像に
お任せしますね！
・・・って、おいおい、結構記憶にあるやんけ！！
・・・つづく。