「終わりなき疾走」
第１９話
＜やめる話＞
時代は平成に移り代わり、技術も一通りのこなす事が出来るように
なりました。この間約４年半の月日が経ちました。
ここまでの間、何度も店を辞めようと思いましたが、ただ辞めたい
だけで、理由は無かったのでずっと辞めずにきましたが、ついに
やめなければならない理由が現れました！
平成元年（1989）、友人達とアメリカへの旅行話が出たのです。
旅程は約２週間。そんな長い間の休暇なんて取れるわけがありません！
これはもう辞めるしかなかったのです。当時はロックに肩までドップリ
浸かってましたから本場アメリカのライヴハウスにも行きたかったし
もう、頭はすっかり渡米してました。
しかし、辞めるのは簡単ではありません。急に辞められる訳がありま
せんし、やめる理由が旅行というのも言いにくいですよネ。
何て言おうか、ほかにウソの理由でも考えようか？ せめて１ヶ月前には
言わんとあかんなー・・・。と、無い知恵絞って、出た結果・・・
「旅行に行くので辞めさせてください」
と、いいました。
ウソはすぐばれるし、辞めるんだからいいやっ、て。
・・・で、いつ言うか。ダラダラやってて、２週間ぐらい前に言いました。
経営者にはそんなこと急に言うな！と、お叱りを受けましたが、
「休みやるで行って来い！」
・・・・・・・・。
もらえた！やった！！休暇がもらえた！
まさか休みをくれるとは思いませんでした。私は小躍りして一緒に
行く友人達と喜び合いましたよ！
友人二人は休める算段がついていて、あとは私だけだったから。
・・・辞めずに済んだようでした。こんな結果を誰が想像した
でしょうか！
今思えば、まだやめたく無い気持ちが結構あったんだと思います。
一通り仕事は覚えても、まだまだやり残したことがあったし。
後輩への引継ぎもありましたから。
しかし、アメリカには行きたい！との気持ちがぶつかりあっていた
のでしょう。
そこからは準備に追われてあっという間に出発当日。
現地でもカメラが盗まれたり、ここで書けないようなハプニング
も続出してたくさんの経験値をゲットしました。♪〜(￣ε￣；)
そして夢のような２週間が過ぎて現実に引き戻された頃、
旅行から帰ってきて最初の給料日。
休みをくれると言っていたから特別有給かしら〜♪と思って
明細書を見ると給料はしっかりと
二分の一
になってました・・・。 （￣□￣；) ガーン。
・・・・つづく。